人吉温泉 華まき温泉

人吉温泉 華まき温泉

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敷地内の大木の側のベンチで、オーナーの中神義幸さん、スミ子さんと撮影

熊本県人吉市下原田町にある「人吉温泉 華まき温泉」を訪問しました。広い敷地です。「華まき」の「華」は土地を購入したときに大量の彼岸花が咲いていたことから、「まき」は温泉を掘り当てる前は牛の畜産をされていたことから、それぞれ取られています。

平成3年の開業です。元々、義幸さんのご友人に温泉を掘る仕事をされている方がおり、それがきっかけとなって、温泉を掘ることになりました。当時、ご家族は皆大反対だったそうですが、いざ掘ってみると、150メートルで泡が出始めて、420メートル掘ったところで温泉が出始めたとか。泉質を見た瞬間に「これは宣伝しなくても大丈夫だ」と確信されたそうです。源泉温度は約35℃、細かい炭酸がびっしり詰まった温泉です。

受付では仏様のような優しい笑顔のスミ子さんが迎えてくれます。「今月で結婚50周年、金婚式です」と嬉しそうに仰っていたのが印象的で、夫婦仲がいいというのは素敵だなと思いました。

脱衣所です。鍵付きロッカーはないので、貴重品は車に置いておきましょう。義幸さんによれば、最近は本当に温泉の価値を理解してくれるお客さんが増えてきていて、そういうお客さんはまるで掃除したかのようにきれいに脱衣所や浴室を使ってくれるそうです。以前より施設の維持がラクになってきたくらい(笑)、とうれしそうに仰っていました。

浴室にシンプルな檜の浴槽が一つ置かれています。窓の外には八重桜。シーズンには夜間のライトアップもしています。

湯口からは炭酸泉が注がれています。「炭酸泉はぬるいことにこそ価値がある」と義幸さん。華まき温泉の炭酸は粒子が細かいため、なかなかお湯から抜けません。腕に付着した炭酸を触るとツルツルとしていて、不思議な感触を味わうことができます。東京から日帰りでわざわざ入りに来るお客さんもいるとか。

常連客の房人さんと誠二さんです。実は左側手前に房人さんのお孫さん2人がいるのですが、おじいちゃんに手を振る2人を見つめて最高の笑顔です。誠二さんは、「ここに一回入ると他には入れない」と、ほぼ毎日、車で25分かけて通っています。

華まき温泉には家族湯もあります。家族湯は「清涼泉」として、加温なしで源泉の温度、約35℃のままで使用されています。

義幸さんが面白いものを見せてあげる、と言って、乾いた未使用のタオルをお湯に浸けてグルグルと動かし始めました。

すると、なんとお湯に溶け込んでいた炭酸が一気にはじけ始めました。白いのは炭酸です。もちろん、石けん等ではありません。

しかし、この量(笑)!はじける炭酸、スプライト(Sprite)並みです。炭酸飲料です。思い出して下さい。

さらにシャワーを使ったデモンストレーションが続きます。

この量(笑)!

しかも、何回でもこれができます。その点ではスプライト(Sprite)以上です。ただし、通常はお湯にタオルを入れるのもシャワーをかけるのもNGですから、やってみたい方は、家族湯を借りて、こっそりやってみましょう。

このベンチよかったです。華まき温泉の得難いのんびり感を味わえます。ところで、義幸さんの温泉掘削の思い出話がいいなと思ったのでご紹介します。「温泉が出たのは平成元年の12月で冬。夜に湯量を計測する鉄の箱の中にスミ子さんと一緒に入り、夜空を見上げたら月がきれいだった、それが思い出」。同様にスミ子さんに伺うと、「入ったら温度がぬるいからなかなか出られなかったけど、出たら出たで身体がぽかぽかしていて・・・あの時の感動は忘れられない」。お話を伺っていると、当時のお二人の感動がありありと伝わってきて、僕にもなぜかそのときの月が見えました(笑)。冬の夜空に浮かぶクリアな月を白濁した炭酸泉に入る二人が見つめている、っていう構図が対照的でいいですよね。温泉掘るっていいな。

 

温泉名:人吉温泉 華まき温泉(ひとよしおんせん・はなまきおんせん)
住所:熊本県人吉市下原田町1518
電話番号:0966-22-6981
所要時間(車):熊本市中心部から1時間31分、熊本空港から1時間24分
駐車場:30台
営業時間:10:00~22:00
定休日:年中無休
料金:400円

人吉温泉 元湯

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霧島神宮温泉 国民宿舎みやま荘

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