THE ONSEN CATALOGUE プロジェクト #2
こんにちは、大迫です。温泉カタログを作りたい理由の一つに「失われつつある素晴らしい泉質と歴史を誇る名湯・秘湯の認知を広げたい」ということがあるのですが、
・そもそもなぜ失われつつあるのか?
・にもかかわらず、我々がその魅力に惹きつけられるのはなぜか?
ということにずっと関心があります。九州取材中にいろんな方にお話を伺ったり、自分の目で見て感じたことを整理してみました。まずは、温泉が提供するサービスの「歴史的な変遷」についてです。
整理していく中でわかったことは、「温泉は進化していく」ということです。当然といえば当然の話なのですが、これは意外と認識されていない事実だと思います。僕にとっては再発見で、明るさを感じた瞬間でした。温泉はその時代の中心的な産業とそれに紐づく顧客ニーズの変化に合わせて、サービスを進化させてきたし、これからも進化していくはずです。
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〜 僕らが紹介したい日本の温泉文化 〜
知られざる名湯・秘湯の魅力を国内外に伝えたい
"最高の温泉カタログ" 制作プロジェクト
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THE ONSEN CATALOGUE プロジェクト
※Facebook内に告知ページを設けました。ご参加いただける場合は、上記リンクからFacebookにログインして「グループに参加」を押して下さい。参加・退会は自由にできますので、お気軽にどうぞ。
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かつて最高の娯楽であった温泉
かつて温泉は日本人にとって最高の娯楽でした。日本の中心的な産業が農業だった時代、今のように農作業は機械化されておらず、大変な重労働でした。農閑期には酷使した体を労るために温泉地に逗留し、じっくりと湯治を行うことが最大の贅沢でした。
また、戦後、日本の中心的な産業が製造業に移行した時期、農家の次男三男は皆、都会へ出ていきましたが、たまには憧れだった温泉で羽根を伸ばしたいと旅館での宴会や露天風呂を楽しみました。さらにバブル崩壊によって、経済成長の一服感が出てきた時期には、都市型の効率を重視した生活を離れ、田舎への郷愁や自然回帰といった感情を満足させるために地方の温泉地における伝統建築や郷土料理を楽しみました。
近年は長引く不況やIT・グローバル化による競争激化で進む格差社会への不信、価値観の多様化が進んだこともあり、仕事より家庭やプライベートを重視する方が増えています。こういったニーズを捉えて、家族湯や貸し切り湯、温泉に併設されたカフェなどで、家族や恋人、友人、一人といったプライベートな時間を過ごすことのできる温泉施設が増えてきています。
このように見ていくと、冒頭にあげた「そもそもなぜ失われつつあるのか?」の理由がはっきりしてきます。失われつつある名湯・秘湯の多くに、かつての湯治場がありますが、社会的な役割を終え、「(かつての)湯治場」として存在するための「必然性」を失いつつあるのです。
近年急速に失われつつある「地元の名泉」
近年、こういった温泉が利用者減による経営難で次々に閉鎖されています。とくに、かつての湯治場で素晴らしい泉質と歴史を誇る「地元の名泉」の多くが高齢な経営者の体力的な限界とともに閉鎖されており、今後、5-10年でその状況は一気に進むと考えられます。経営難の主な理由は若い世代の利用減なのですが、一度、閉鎖された施設を再開するのは容易ではなく、このままでは次世代が「地元の名泉」の本当の価値に気付いたときにはすでにその多くが失われてしまっている、ということになりかねません。
若い世代と外国人の方に魅力を伝えたい
温泉施設が日本人にとっての遺産というべき「地元の名泉」を持続的に運営していくためには新しい顧客層の開拓が必要不可欠であり、その対象は必然的に若い世代と外国人ということになります。温泉カタログが日英併記となっている理由はここで、近年、増加する「温泉好き」の訪日外国人の方に向けて、これらの温泉を紹介したいと考えています。かつて湯治場であったような「地元の名泉」は日本が誇る温泉文化の原点とも言え、外国人の方であってもきっと楽しんでいただけるはずです。訪日外国人の方による利用増が「地元の名泉」存続の突破口のひとつになると考えています。
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プロジェクト実施にあたって、Facebook内に告知ページを設けました。今後は、以下のページを中心に様々な情報をお伝えしていきたいと思いますので、温泉好きの皆様に応援していただければありがたいです!よろしくお願いします。
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