奴留湯温泉共同浴場

奴留湯温泉共同浴場

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地域の管理人の一人である後藤且也さんと奴留湯温泉の前で撮影

熊本県阿蘇郡小国町北里にある「奴留湯温泉共同浴場」を訪問しました。まず印象的なのが「奴留湯」という漢字。気になります。ちなみに読み方は「ぬるゆ」です。

入口前の料金箱にお金を入れていざ入湯です。

脱衣所は綺麗に掃除されています。広くはないですが、数名でも十分着替えるスペースはあります。

入った瞬間あっ!と驚きました。ほんのり香る硫黄と透き通ったお湯!一歩浴場に踏み入れただけで泉質がとても良いことがわかります。そして、次にかけ湯をするとさらに驚きが。名前の通り本当にぬるいです!ここは昔、お殿様の召使いだった奴(やっこ)さん達がゆっくりとお湯に浸かって旅の疲れを癒したことから、奴を留める湯として「奴留湯」という名前になったそうです。

硫黄泉のお湯はこの大きな石の下から出てきています。かなりの量が湧出しており、湯船は常にオーバーフローしています。写真ではわかりませんが、入っていると下からぷくぷくと気泡が上がってきます。源泉の温度は38℃なので、実際の湯船の温度は36℃前後なのではないでしょうか。暑い夏にはぴったりですね。また、炭酸も含まれていて、入っていると気泡が体に付きます。また、不思議なことに長湯をしても手のひらが全くふやけません。

80歳の郁長さんはこの温泉の常連さん。今でも現役の猟師です。一緒にいらっしゃっていたご友人曰く、郁長さんはイノシシ捕りの名人で、郁長さんに睨まれたイノシシはまず生きては帰れないとのこと。 イノシシは郁長さんの気配を感じたらすぐに逃げましょう(笑)。

流石に36℃前後のお湯はぬるすぎて冬には入れない!という方もご心配無く。冬になると小さな浴槽に41℃程度に加温されたお湯が入れられます。これで冬もゆっくり入れそうですね。

奴留湯温泉は地域で管理されています。管理人の一人である且也さんにお話を伺いました。且也さんは奴留湯温泉の正面にある「後藤商店」を経営されており、先祖も含めてこの温泉とはずっと昔から付き合いがあるとのこと。200年くらいの歴史があり、昔は今と比べてもっと炭酸が強く、気泡がばっと体に付いていたそうです。また、昔から飲んでも胃腸に良いんだとか。

最後に温泉の建物の裏に祀られている薬師如来です。古代から病気やケガを治す温泉は神の水として崇められ、医療の仏である薬師如来が信仰の対象となってきました。現在も多くの温泉に薬師如来が祀られていますが、温泉の心身を治癒する力は今でも健在ですね。

 


温泉:奴留湯温泉共同浴場(ぬるゆおんせんきょうどうよくじょう)
住所:熊本県阿蘇郡小国町北里2284
電話番号:0967-46-2113(小国町役場情報課観光係)
所要時間(車):熊本市中心部から1時間40分、熊本空港から1時間16分
駐車場:約10台
営業時間:09:00~21:00
定休日:年中無休
入浴料:200円

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