人吉温泉 新温泉

人吉温泉 新温泉

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オーナーの永見明子さんと脱衣所内で撮影

熊本県人吉市紺屋町にある「人吉温泉 新温泉」を訪問しました。読み方は「しんおんせん」です。看板の文字と木の質感が歴史を感じさせます。

建物正面です。木材の茶色に屋根の青色が映えますね。ノスタルジーがすごいです。外観だけでぐらぐら来ます。

扉を開けるとすぐに番台があり、ここでお金を払って入場します。お客さんの中には「初めて本物の番台を見た!」と言って喜ばれる方もいるとか。番台に座っているのはオーナーの明子さんです。年齢を教えてもらってびっくりしたのですが、「温泉効果ですよ(笑)」とおっしゃっていました。新温泉にやってくる常連のみなさんは皆お肌が艶々だそうです。

新温泉は脱衣所がいいです。80年以上前に建てられた当時のままの雰囲気が残っていて、ベンチや体重計のレトロ感がたまりません。広々としていて、ベンチもあるので、温泉から出た後も会話が尽きません。ちなみにロッカーはなく、籠に自分の荷物や服を入れることになるので、貴重品が気になる方は車や旅館に置いてきた方がよいと思います。

浴室も創業当時のままで雰囲気あります。浴槽は2つあるのですが、現在は湯量が減少しており、片側のみの使用となっています。夏の時期には鮎釣りや旅行のお客さんが多く訪れるそうです。

湯口からは黒っぽいお湯が注がれています。源泉は約42℃で冬は少し加温しているとのことです。それほど熱くないので、ゆっくり入れます。

遅めの夏休みをとって大阪からいらっしゃった公(ひろし)さんと常連の秀喜さんです。公さんの生まれは温泉のメッカともいうべき別府なのですが、「新温泉には小さい頃に入っていた温泉の懐かしさを感じる。スーパー銭湯にはない味わいがあるよね」とおっしゃっており、共感しました。一方の秀喜さんは屏風や掛け軸といった美術品の修復のお仕事を80歳の今でも現役でされており、大変、お元気です。また、息子さんも同じ仕事をされているそうで、その腕前が名人級だと誇らしげに語られていました。

さて、人吉は球磨川の影響で過去に何度か水害に襲われており、その時の水位を示すシールが入口のところに貼られていました。頭のかなり上のところにもシールが貼られていて、当時の被害の大きさを思い起こさせます。

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新温泉は湯量の減少によって、一時期休業をしていたことがあります。お話を伺っている中で、明子さんは再三にわたって、「温泉は生き物」という言い方をされていました。温泉の掘り方によっては湯量の増減はもちろんのこと、泉質まで変わってしまうこともあるそうです。今後の湯量の増減次第では温泉を継続できない可能性もあるとのこと。この素晴らしい雰囲気が長く残っていくことを期待したいですね。

 

温泉:人吉温泉 新温泉(ひとよしおんせん・しんおんせん)
住所:熊本県人吉市紺屋町80−2
電話番号:0966-22-2020
所要時間(車):熊本市中心部から1時間16分、熊本空港から1時間9分
駐車場:4台
営業時間:13:00~22:00
定休日:毎月第1月曜日
入浴料:300円

人吉温泉 しらさぎの湯

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人吉温泉 元湯

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