人吉温泉 相良藩願成寺温泉

人吉温泉 相良藩願成寺温泉

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入口の前に描かれている大きな温泉マークの前でオーナーの新堀タエ子さんと撮影

熊本県人吉市願成寺町にある「人吉温泉 相良藩 願成寺温泉」を訪問しました。

受付では番台一筋60年の孝雄さんが笑顔で迎えてくれました。孝雄さんは昭和32年にこの温泉がオープンして以来、番台一筋の86歳のおじいちゃんです。地元のお客さんからもたくさん声を掛けられていて、とても愛されている番台さんです。パ、パジャマ?

脱衣所はとてもシンプルな作りです。奥の棚には地元の方のお風呂セットがぎっしりです。この光景だけでも多くの地元の方に利用されていることがわかります。

見てください!この愛らしいひょうたん型の浴槽!湯口がある小さな円の浴槽には45度のお湯が注がれでおり、大きな円の浴槽に流れるにつれて冷める仕組みとなっています。大円の浴槽は43度程度です。全体的にちょっと熱めですね。女湯も同じひょうたん型の浴槽があります。

また浴場の側面には大きな絵が描かれています。人吉城のお堀とその下に流れる球磨川での川下りが描かれています。震災前は単純な虹の絵でしたが、震災後に熊本の復興の願いを込めて、人吉の名所を描いたものに変更したそうです。女湯に描かれている絵はお堀の角度が違うそうです。

湯口からはゴボッ!っと音を出しながら勢いよくお湯が流れ出て来ます。お湯はほんのり色味がある炭酸水素塩泉です。飲むと胃腸に良いそうで、多くのお客さんに飲まれているとか。また化粧水として使うと肌がツルツルになるそうです。

人吉のお気に入りの温泉を巡るのが好きな71歳の勝博さん(左)と毎日来ている69歳の義光さん(右)です。これは常連の義光さんが湯巡り好きの勝博さんに対して、浮気をせずに願成寺温泉一筋にすべきと説得しているシーンです(笑)。

とてもピンクが似合うオーナーのタエ子さん。本当に地元の人々とこの温泉を愛していらっしゃる方で、この温泉が地元の方々のコミュニケーションの場になればという温かい思いを語ってくれました。特に一人暮らしの高齢者の方々へのケアを大事にされており、頻繁に声掛けをされているそうです。

温泉内の休憩所の隣には野菜が陳列されています。地元の方が作りすぎた野菜を自主販売出来るようスペースを無料でお貸ししているそうです。卵からじゃがいも、おくら、お米、大量のにんにくなどがあり、どれもとても安いです!温泉に入ったついでに買い物も出来ますね。

タエ子さんは温泉の隣で天然鮎や鰻も食べられるお食事処「相良藩 田」を経営されています。この建物の内部を是非見ていただきたいのですが、伝統的な作りで雰囲気が素晴らしいです。なんでも以前は和裁や生花を教える女子高だったとか。今でもこの場所は小学生から高校生までの学生が伝統的な作法を学ぶ場として使われています。また、近所の幼稚園では園生に昔ながらの温泉の入り方を教える授業があるそうです!そういうのいいですね!歴史と伝統を次の世代に引継ぐ仕組みが人吉の街にはあるのですね。

最後に人吉市の歴史といえば相良藩の歴史。温泉の近くにある願成寺には相良家37代目までのお墓があります。中央にある一番大きなお墓は初代・相良長頼のお墓です。この土地で相良家が代々この土地とともに栄えてきたのが伝わる空間でした。

 

温泉:人吉温泉 相良藩願成寺温泉(ひとよしおんせん・さがらはんがんじょうじおんせん)
住所:熊本県人吉市願成寺町402-1
電話番号:096-624-6556
所要時間(車):熊本市中心部から1時間13分、熊本空港から1時間12分
駐車場:10台
営業時間:06:00~23:00
定休日:年中無休
入浴料:200円

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