旅館幸ヶ丘
ロビーのソファでオーナーの村田千秋さんと撮影
熊本県八代市日奈久上西町にある「旅館幸ヶ丘」を訪問しました。昭和30年代に創業しています。「旅館」とありますが、現在は入浴のみの営業となっています。「うちは泊まれない旅館なんです(笑)」と千秋さん。かなりバンカラな青春時代を送られていたようで、学生時代の話や日奈久温泉に関する話がめちゃくちゃ面白いです。ご興味のある方はぜひ聞いてみてください!
受付です。入浴の方はインターホンを鳴らしてみましょう。千秋さんが返事をしてくれます。
脱衣所は浴室と一体型です。これはセキュリティを心配する必要はありませんね。これぞシンプルイズベストです。
浴室の白いタイルが美しいです。源泉からポンプで汲み上げられた新鮮なお湯が濃い硫黄臭を放ちながら大量に掛け流されています。千秋さんは「これが本物の温泉」と、汲み上げと配湯の方式に強いこだわりを持って幸ヶ丘を運営されています。
地下90メートルから湧き出る豊富な湯量はオーナーの自慢です。温度は44℃弱でやや熱めですが、最高の入浴感を感じられます。冬は2℃ほど温度が下がり、ちょうど適温になるそうです。千秋さんによれば、元々はお父様が道楽で今の泉源を掘られたそうで、「じゃあ、温泉出たから旅館でもやろうか」ということになったとか。すごい話です(笑)。千秋さんのご先祖は、元々、日奈久の庄屋さんだったこともあり、最盛期には親族合わせて6軒もの旅館があったそうです。
定期的に幸ヶ丘をにいらっしゃるという壮宏さんです。普段は英語の先生をされていますが、ボランティアとして八代港に寄港する客船のスタッフのための通訳のお仕事もされています。外国人スタッフの方に良い温泉がないか聞かれた際には、幸ヶ丘をお勧めしているとか。30代とお若いのですが、地元の振興や温泉の復興ということに強く関心を強く持っていらっしゃって、音楽イベントなどの企画運営もされています。こういう熱い方と話していると楽しいです。頑張ってください!
さて、こちらは女湯です。男湯同様に千秋さんの言う「本物の温泉」が大量に掛け流されています。
幸ヶ丘には家族湯もあります。
お風呂の隣の休憩スペースです。雰囲気いいですね。
幸ヶ丘は日奈久温泉の温泉神社の参道の途中にあります。
参道を登ると、かつての相撲の土俵があります。周りを取り囲むのは枡席です。近くの喫茶店ケントで当時の写真を見せてもらったのですが、多くの人で埋め尽くされて熱気に溢れた光景でした。マスターによれば、当時は馬車や芸者さんもたくさんいて、それはそれは華やかで素晴らしい賑わいの「いい時代」だったそうです。もちろん、今でも当時の面影を偲ぶことができますが、実際に見てみたかったなと思いました。
温泉:旅館幸ヶ丘(りょかんさちがおか)
住所:熊本県八代市日奈久上西町394
電話番号:0965-38-3016
所要時間(車):熊本市中心部から56分、熊本空港から50分
駐車場:約10台
営業時間:10:00~20:30
定休日:毎週火曜日
入浴料:500円