「ジ温泉カタログ写真展」演出アーティスト紹介(前編)

「ジ温泉カタログ写真展」演出アーティスト紹介(前編)

皆さんこんにちは。知念です。6月から開催される「ジ温泉カタログ写真展」では「温泉×写真×アート」をテーマに別府市内にある温泉施設7か所および清島アパートを展示会場とします。その展示会場の演出を担当するのはNPO法人 BEPPU PROJECTがアーティストの活動支援の一環として運営するアーティスト/クリエーター向けのシェアハウス『清島アパート』に居住するアーティスト8名です。

その演出担当のアーティストの方々を2回の記事に渡ってご紹介しようと思います!それぞれとても個性的で面白い作品を制作されている方々です!

1.安部寿紗さん(演出施設:寿温泉)

・活動内容

兵庫県出身の安部寿紗さんはお米にまつわる作品を発表されているアーティストです。家の庭でお米を育てた際に、お米一粒の種子から大きな稲となり1000~2000粒ものお米が収穫出来たことに、そのお米の生命力に感銘を受けたそすです。そしてそのことがきっかけでお米にまつわる作品の制作を始めたそうです。

種もみの発芽と仏陀の誕生

種もみの発芽と仏陀の誕生

脱粒するお米をイメージをした作品

脱粒するお米をイメージをした作品

また、種もみから発芽する姿が釈迦の誕生に似ている事にインスピレーションを受け、仏教にまつわる内容とお米とを絡めた作品が多く発表されています!安倍さんが考案したお米文字で写経をしたり、写経した半紙を線香でお米の形に焼いてたくさん穴を開け、外から光を当てることでお米の原種に起こる脱粒という現象を仏教思想に絡めて表現したりと、興味深いものばかりです!

・写真展の演出内容

安部寿紗さんが担当する寿温泉の展示写真のテーマは「地元に根付く共同浴場」と「手軽に入れる料金100円台の温泉」。その写真の展示と共に稲作の起源の説がある「ヤショダラの沐浴」を「お米」×「お風呂」で表現し、作品空間を演出の予定です。ヤショダラとは仏陀のお妃だった方で、伝説では稲作にとても関連深い方だそうです。この伝説とお米とお風呂のがどのように表現されるのかとても楽しみです!

2. 旅する服屋さんメイドインさん(演出施設:茶房たかさき)

・活動内容

東京出身の旅する服屋さんメイドインさんはその名の通り、旅をしながら服を制作しているアーティストです。元々服飾関係の仕事をなさっていたのですが、東日本大震災の時にボランティアへ東北に行った事がきっかけで自分の身体で多くの事を知ることが必要だと感じて旅をするようになったそうです。

旅する服屋さんメイドインさんのアトリエ風景

旅する服屋さんメイドインさんのアトリエ風景

温泉染めの研究ノート

温泉染めの研究ノート

そして多くの人と様々な土地で出会い、コミュニケーションを取りながらその場でしか出来ない服を制作し続けています。この別府では温泉を使って染色する温泉染めを作成されています。服はあくまでもツールであり、「服を通して多くの人々が集まりコミュニケーションを取れる場を作る」ことが目的だということです。短時間のインタビューだけでグッと話に引き込まれ、今まで全国各地で多くの人を巻き込んで活動されてきたエネルギーが伝わってきました!

・写真展の演出内容

旅する服屋さんメイドインさんが担当する茶房たかさきの展示写真のテーマは「熱い温泉」です。「旅する服屋さんメイドイン」×「茶房たかさき」のコラボによる服や染色を使った空間演出を行う予定です。今回もきっと、旅する服屋さんメイドインさん持ち前の人間力で多くの人を巻き込んだ作品になるかもしれないですね!

3. 小野峰靖さん(演出施設:長泉寺 薬師湯)

・活動内容

大分県出身の小野峰靖さんは写真と写真を置く空間を使ってその写真が持ち合わせる機能を表現するアーティストです。小野さんにとって写真は「忘失のメディア」だということです。人の生活の痕跡を撮影し、人の痕跡が残る場所に展示することで「今」という時間をより際立たせ、人が忘れたことやこれから忘れることを表現されています。

忘失(フタバアパート展示)

忘失(フタバアパート展示)

忘失(フタバアパート展示)

忘失(フタバアパート展示)

実際に別府にある取壊し予定となり誰も住んでいない「フタバアパート」に小野さんの作品が展示されています。もうすぐ無くなり忘れ去られると決まっているその空間に人の痕跡を残した写真が置かれることで、その空間で流れてきた人の生活の時間がくっきりと映し出される感じがします。

・写真展の演出内容

小野峰靖さんが担当する長泉寺 薬師湯の展示写真のテーマは他の施設のようにはあらかじめ決めておらず、小野さんのテーマに合わせた写真をセレクトしてもらっています。小野さんの「忘失」というテーマでお客さんに会場周辺を撮影してもらい、その写真を作品空間に積み重ねていくワークショップを開催する予定です。多くの人が撮影した自分の、そして周りの生活の痕跡をどのように表現されるか楽しみです!

4. 寺澤佑那さん(演出施設:かんなわ ゆの香)

・活動内容

東京都出身の寺澤佑那さんは「ままごと」をテーマに映像作品を制作されているアーティストです。寺澤さんの解釈では「ままごと」というのは自らの行為や発言、自分自身の立ち位置を社会化し、他者との距離感を調節するコミュニケーション方法だということです。過去に飲食店でアルバイトしていた際、ご両親が来店された時に家の中とは違う、お客さんとお店のスタッフというコミュニケーションが発生したことで親子の関係性の中にも「パブリック」と「プライベート」が分かれていることに気付いたそうです。そして寺澤さんはそこから家庭の中に「パブリック」を入れ込んでみたらどうなるかという実験映像作品を作られるようになったそうです。

わが湯(映像 9min)

わが湯(映像 9min)

建設的な提案(映像 5min)

建設的な提案(映像 5min)

家の中にいきなり銭湯を作り番台を設置した時に家族はどのように反応するか、いつも家族で口論になるような問題を会社のプレゼンそのままに会議形式で行った場合どのような振る舞いになるかなど映像作品として残されています。そしてどれもが積極的な「ままごと」であり、その「ままごと」によって参加者の行動や言動が変化することになるというとても興味深い作品です。

・写真展の演出内容

寺澤佑那さんが担当するかんなわ ゆの香の展示写真のテーマは「つるつる・泡がすごい温泉」です。そして寺澤さんはその展示空間に普段のその場所とは違う役割を与えるような見取り図を床面に施すことで、 日常に非日常を紛れ込ませるような演出を計画されています。温泉施設の中に温泉施設とは全く違う「ままごと」の仕掛けがあるというのはとても面白そうですね!訪問される方は温泉に来ているのに温泉ではない行動をしてしまうかもしれないですよ!

 

この記事では4名のアーティストの方を紹介させて頂きました。それぞれ全く違う作風のアーティストの方々であり、温泉写真とどのようなコラボレーションが生まれるのかとても楽しみです!残りの4名の方も個性的な方々ばかりなのでご期待ください!

大分空港 足湯

大分空港 足湯

寿温泉

寿温泉